石田晴久氏ご逝去

石田氏が亡くなられたのか。72歳はまだ若いなあ。

僕もこの世界の片隅に生きているものとして、K&Rの「教科書」は初版・第二版とも購入しました(ともに訳は石田晴久)。特に初版は何度も読み返し、線を引いたり書き込みをしたり……もっとも、プログラミングの能力は一向に上がりませんでしたけれども。

石田氏で思い出すのは「フリーソフトウエア大賞」だ。石田氏一人の思い付きではないだろうが、あの時期にあの企画というのは誠に慧眼であったと思われる。選考されたソフトも、誰もが納得のいくものばかり(実は、このような結果を出すのは意外にむずかしい)。電子ネットワーク協議会に主催が移ってからは迷走した印象があるが、フリーソフト自体が迷走していったことを反映したものか。

第一回で通信賞を取り、第二回で大賞に輝いたWTERMの作者であるH.INOUEさんとはあのころ非常に親しくしていたし、第三回の大賞であるJW_CADの作者(の一人)であるjiroさんとも、一時期懇意にしていた。そのためこの選考には非常に興味をもって見守っていた経緯がある。

フリーソフトも、なまじの人気ソフトになると、問い合わせは多いし、プレッシャーはあるし、開発コストはかさむし、ドネーション(寄付)なんてほとんど期待できないしで、意外に苦労ばかりという現実を結構見せられてきたため、石田先生が主催されているような「ちゃんとした」賞をもらえて(社会的に評価されて)良かったなあ、と思ったのだ。

プログラミング言語C 第2版 ANSI規格準拠

プログラミング言語C 第2版 ANSI規格準拠