谷亮子さん、これで引退してください

北京オリンピックで女子柔道の谷亮子が日本人のメダル第一号。3位決定戦で見事な一本勝ちで銅メダルを獲得した。

しかし、過去2大会連続優勝した人であり、今大会も優勝宣言を出していたから、本人も周囲も、物足りないというのが正直なところだろう。

僕はといえば、もちろん応援はしていたのだが、準決勝で負けた瞬間、これで良かったんじゃないかな、と思った。同じ階級の、他の選手のために。

ここで優勝してしまうと、またロンドンでも金を……などと言い出しかねない。そうすると、他の選手が出場できる機会を潰してしまう。普通なら、「打倒谷亮子」でがんばれ、ということろだし、そういう選手のいた方がむしろレベルが上がっていいのだが、彼女の場合は別。

世界大会の選考を兼ねる国内大会で優勝しても、「実績を考慮して」出場選手は谷になってしまう。昨年、全日本大会で谷を破って優勝したのは福見友子だったが、世界選手権に出場したのは谷亮子だった。今年の全日本大会で谷を破って優勝したのは山岸絵美だったが、オリンピックに出場したのは谷亮子だった。恐らく、彼女が自分で辞退すると言わない限り、誰も彼女の首に鈴をつけられないのだろう。これでは、他の選手は頑張りようがない。

また、今回彼女が三連覇を逸したことで、野村忠宏の三連覇がいかに偉大であったかが認識されるといいな、とも思う。野村と谷(田村)は同じ日に試合が行なわれるため、野村の方が素晴らしい結果を出しているのに、人気者の谷(田村)にばかり注目が集まるのを苦々しく感じていたからだ。

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