日本シリーズでの落合監督の采配

野村監督は「監督が10人いたら、まず10人とも代えないだろう」と答えたのに、王監督もコリンズ監督も岡田監督も「交代だ」と答えた、と。

テレビ中継の時の野村の解説からすると、「代えるべきじゃない」という意味ではなく、「(代えたくても)代えられない」というニュアンスだったと思う。

要するに、日本シリーズのあの場面で、岩瀬という投手がいるなら、交代が正解だという点では、同じ立場の人間の意見が(星野監督を除いては)ほぼ一致したわけだ。

ただし、じゃあ同じ局面に立たされたら、誰もが躊躇せず交代させられるか? あとから「交代が正解だね」と呑気に言うのとは全く別次元の問題である。多くの監督は「やはり、岩瀬かな……」と思っても、すぱっと交代を告げられないのではないか。「まあ、ヒットを打たれるまでは山井でいくか」などとぐずぐず言っているうちにそのヒットがホームランだったりして、記録だけでなく勝ち星までフイにしてしまうのがオチだ。

だから、野村が正しいと思う。正しいというより、正直だと思う。野村は継投のうまい監督だと思うが、できないことはできないとはっきり言う。こうした点は意外に謙虚だ。それに対して王も岡田も、自信たっぷりにコメントしているが、結構継投の失敗が多いと思うよ。コリンズはよくわからないけど。