ジョブスとゲイツのスピーチ

スティーブ・ジョブスビル・ゲイツは、同年代でともに大学中退、アップルとマイクロソフトという会社を作り歴史に名を残した。成功への道を一直線に走ったゲイツに対し、ジョブスの人生は波乱万丈だったが、今ではともに成功者として世界中から認知されている。

2005年6月、ジョブスはスタンフォード大学の卒業式でスピーチを行なった。また、ゲイツは(32年前に中退した)ハーバード大学から学位を授与され、2007年6月の卒業式でスピーチを行なった。このふたつ、それぞれになかなか興味深い。

ジョブスのスピーチの邦訳は各種あるようだが、恐らく一番流布したと思われる市村佐登美さんのものにリンクしておく。ゲイツの邦訳は、僕の調べた限りでは全文訳はないようだ。

藤代さんは『ビル・ゲイツ「卒業」スピーチ・邦訳』(ガ島通信、2007/06/10)で、ゲイツのスピーチについて

感動を覚えるような「物語」はありませんが、真面目な印象を受けます。

と述べているが、「転職予定なので、大卒になれてよかった」などは思わず笑ったし、世界には多くの人が貧困や病に苦しんでいる……ハーバードの学生は知性ではトップクラスだ。その知性を、そうした問題に少しでも振り向けてほしい……という部分には素直に感動した。

卒業式にこうしたスピーチがきけるのが、スタンフォードやハーバードの名門校たるゆえんなのか、とも思った。