優勝したのは福見友子、しかし……

8日、何気なくテレビを見ていたらちょうど女子柔道の全日本(体重別)の、48kg級の決勝戦だった。谷亮子福見友子。まっ、この時点では福見の顔も名前も知らなかったのだが、終始優勢に試合を進め、見事な足払いも決めた。谷を破って優勝。復帰していきなり優勝できるほど世の中は甘いものじゃないだろうけど、準優勝というだけでも立派なものだ。でもこれでオリンピックは黄信号かな、と思ったら、なんと、今年の世界選手権の代表選手として優勝した福見ではなく谷が選ばれた。

これはいけない。マラソンなどのように、直接対決がなかった場合の優劣の比較で意見が分かれることはあったが、格闘技のように勝ち負けのはっきりしている競技で、直接対決に勝ったにも関わらず、選考結果が逆になるのは解せない。第一、この大会は世界選手権の代表選考会を兼ねていたはずだ。そこで優勝しても代表になれないなら、そもそもこんな大会を開催する必要はない。必死で闘った選手や応援していたファンを馬鹿にするにもほどがある。

選ぶ方も選ぶ方だが、選ばれる方も選ばれる方だ。「勝ったのは福見さんです」となぜ辞退しなかったか。