音楽

ホワイト・アルバムの歌詞

アルバムごとの変化を改めて考えた時、「ラバー・ソウル」から「ホワイト・アルバム」へ飛んで驚き、理解不能に感じたのは、サウンド以上に歌詞の内容だったのではないか。ひとつひとつつぶさに検証したわけではないが、「ラバー・ソウル」までは基本的に全…

不思議な郷愁を覚える「ザ・ビートルズ」

ビートルズのアルバムで一番好きなものはどれか? 考えるのは楽しいが、答えるのは難しい質問である。で、まあ、あれこれ考えた挙句、「リボルバー」あたりの名を挙げることになるだろうか。ただし……「ビートルズの名前で発表されたアルバム、ということなら…

印象が薄い「イエロー・サブマリン」

初期のアルバムだと「ビートルズ・フォー・セール」なども印象の薄いアルバムだが、本作の印象の薄さは特筆に値する。おびただしいビートルズ関連本を読んでも、たいてい華麗にスルーされている。レコードのB面(CDでは後半の7曲)が彼らの作曲・演奏による…

いつのまにか公式アルバムに格上げ「マジカル・ミステリー・ツアー」

一応「サージェント・ペパーズ」の次に位置づけられる作品だけど、1987年にCDが出た時にいつの間にか公式アルバムに「格上げ」されていただけ。米国キャピトルによる寄せ集めアルバムのひとつであり、レコード盤は英国では発売されていない*1。だから、アル…

世紀の大作「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」

やはり「大作」だという気はする。ジャケットを見ただけでこれまでとは違うものを感じるし、ペパー軍曹の寂しんぼクラブバンドという架空のバンドに扮してのコンサート、という趣向も気が利いている。ポールの曲で始まるのは初めてで、おやと思わせるし、全…

最高傑作が出た「リボルバー」

僕がビートルズを聴くようになったのは彼らが解散してからであり、入手する資料のほとんどは彼らの解散後に作られたものだから、致し方ないのだが、なんでも結果論になってしまう。「リボルバー」について書こうと思えば、「サージェント・ペパーズ・ロンリ…

黄金期が続く「ラバー・ソウル」

いろいろなアルバム解説を読むと、「ラバー・ソウル」が大きな変節点だ、ここから彼らは変わった、とする評が目立つ。が、そうだろうか。人生の最初期に聴いたビートルズが「ヘルプ」と「ラバー・ソウル」だった、という影響もあるのかも知れないが、基本的…

黄金期が始まる「ヘルプ」

順に聴いていると、このアルバムから第二期が始まるような印象を受ける。「フォー・セール」はもちろん、それまでのアルバムからは一線を画しており、作曲も、演奏技術も、録音技術も、階段を何段も駆け上がったようだ。個人的に、この「ヘルプ」と次の「ラ…

ビートルズのカントリー「ビートルズ・フォー・セール」

一枚目が「one, two, three, four!!」で始まり、二枚目が「It won't be long, yeah」で始まり、三枚目が(例の)ジャーーーン!! でと、衝撃的に始まるのに、これはおとなしく「This happen once before...」だから、いきなり拍子抜けしてしまう。全体とし…

初期の傑作「ア・ハード・デイズ・ナイト」

前2作とはガラリとイメージが変わる。ひとつは4トラック・レコーディングになって音に厚みができたこと、特に彼らの代名詞となるボーカルのダブル・トラッキングが始まること。それと関係あるのかどうかわからないけど、ハイハットかシンバルのシャンシャン…

前作をさらに昇華「ウィズ・ザ・ビートルズ」

前作と同じ理由でステレオは無理がある。左側のエコーは消えているがボーカルが右側しかないのはさびしい。やはりボーカルはセンターにほしい。ところで、中期の曲からベースがドライブし出して、聴いている方もベースラインを意識し始めるのだが、この時期…

伝説のワン・デイ・レコーディング「プリーズ・プリーズ・ミー」

最初の4枚は今回が初ステレオ化らしいから、22年前のCDはモノラルで聴いていたのかな。もともと2トラックで録音されていたのだから、それを右と左に割り振ってもステレオとしては苦しい。このアルバムはまあモノラルなんだろうなと思う。基本的にボーカルが…

ヘッドフォンで聴くビートルズ

1987年にビートルズのレコードがCD化された時に全部買い直したのは、特に音質に期待したわけではなかった。レコードがだいぶ埃っぽくなって、シャリシャリ言い始めていたので、どのみち新しいものが欲しかったのだ。もともとが古い録音だから、CD化したから…

ビートルズがやってきた、ヤァ! ヤァ! ヤァ!

発売日には送れないむね、Amazonから連絡があったが、翌日には発送してくれたらしい。11日に届いた(不在のため、12日に再配達してもらって受け取った)。その日は一日かけてパッケージを開け、DVDをHDDにコピーした。ボックス版だがCDもいちタイトルずつビ…

ビートルズのオリジナルアルバム

何をもってオリジナルとするかは、そう簡単に決められるものではない。少なくとも個人にとっては。ビートルズのアルバムは、イギリス本国では「プリーズ・プリーズ・ミー」が出て、「ウィズ・ザ・ビートルズ」が出て、……いずれも空前のヒットを記録したが、…

ビートルズリマスターCD 公式ガイド

ザ・ビートルズ・クラブ、「コンプリート・ビートルズ」(集英社インターナショナル) 間もなくリリースされるリマスターCDの解説本。通販で買ったのでどういう本だかわからなかったが、思ったより薄かった。簡単なビートルズ・ストーリーも述べられているが…

ビートルズのCDが人気らしい

8月24日の記事、「ビートルズのリマスターCDがリリース!」でも紹介した「ザ・ビートルズ・ボックス」を予約注文していたのだが、本日、Amazonから下記のメールが届いた。 こちらの商品は9月9日発売となっておりますが、人気商品のため発売日に発送させてい…

アマチュア時代の吉田拓郎

田家秀樹、「小説吉田拓郎 いつも見ていた広島」(小学館文庫) アマチュア時代の吉田拓郎について書かれた本。拓郎だけでなく、拓郎を取り巻く人々もじっくり描き出されており、いわゆる青春小説、群像小説として読めば(吉田拓郎のファンでなくても)、十…

ビートルズのリマスターCDがリリース!

イギリス本国でリリースされた12タイトル(13枚)のアルバムに加えて、アメリカオリジナルの「マジカル・ミステリ・ツアー」、CDオリジナルの「パスト・マスターズ」を加えた14タイトル(16枚)が、現在のオリジナルアルバムということになっている。もっと…

八木山合奏団の消息

くろつ君のホームページ 今日は取り急ぎメモ。昔、東北地方でローカル的に有名だった「八木山合奏団」というバンドがあった。個人的なお付き合いも少しだけあり、ファンだったので、その後の消息が知りたかった。ふと、あるところからリンクをたどって、当時…

みんな、アメリカを探しにやってきたのです(3/3)

みんな、アメリカを探しにやってきたのです(1/3)(2008/05/21) みんな、アメリカを探しにやってきたのです(2/3)(2008/05/22) 二十年の年輪 若い人が将来の目標もなく、何かに無我夢中で取り組むわけでもなく、ふらりと旅に出て空しいだの苦しいだのと…

みんな、アメリカを探しにやってきたのです(2/3)

「アメリカ」の内容 ピッツバーグではショッピングセンターに立ち寄る機会があったため、CDショップを覗いてみた。運よく『BOOKEND』があったので購入。プレイヤーを持ってきているわけではないから、聴くのは日本へ戻ってからになるが、記憶の中の歌詞が間…

みんな、アメリカを探しにやってきたのです(1/3)

初めての東海岸 2005年の1月18日から27日まで10日間、ペンシルベニア州のピッツバーグへ出張することになった。アメリカへ行くのは11年ぶり二度目、東側は初めてである。外資系勤務とはいえ、英語が極端に苦手なため、行っても役に立たないとこれまでは逃げ…

ジョン・レノンを偲ぶ

映画「チャプター27」 (弁護士 落合洋司(東京弁護士会)の「日々是好日」、2007/12/31) この事件が起きた当時、私は中学生でしたが、ラジオの深夜放送(オールナイトニッポンだったと思います)が、急遽、ジョン・レノン追悼番組になって、明け方まで、…

山口百恵と馬飼野康二

年間シングルチャートベスト10(見たこと聞いたこと、2007/12/10) この曲の作曲は馬飼野康二。この方、山口百恵の初期の曲を書いたりしてらしたんですよ。息長いなぁ。 山口百恵の歌で馬飼野康二が作曲したのは「ちっぽけな感傷」一曲のみ。間違いではない…

住所不定無職低収入

住所不定無職低収入(あんたジャージでどこ行くの、2007/11/22) 無職なら「無収入」だろう。 無職というのは、定職に就いていないことで、臨時仕事を適当にこなしてそこそこ収入があっても、そういうのは無職といったのだ。今ならフリーターとかいって堂々…

夢中さ君に

「夢中さ君に」といえば、チューリップのライブのアンコール曲というイメージが強いが、初のライブ盤である「LIVE!! ACT TULIP」ではオープニング・ナンバーになっている。演奏は、シングル盤のもの(1973年)は、それほどではなく、「LIVE!! ACT TULIP Vol-…

「ジョンの魂」とプラスティック・オノ・バンド

ジョン・レノン『ジョンの魂』/高見沢王子/コミックマーケット(Feel in my bones、2007/11/09) あのニュースが飛び込んできた高3の12月の朝のことを思い出す。 驚いた。kous37さんは同い年なのか? 僕もあのニュースを聞いたのは高校三年生の時だった。…

フルートの演奏会

誘ってくださる方がおり、フルートの演奏会に行ってきた。音楽に限らないが、何事も「生(ライブ)」に如くものはない。しかし、ここ10年くらい、スポーツも、芝居も、音楽も、生を見に行く機会が全くなくなってしまった。一度そういう習慣が離れてしまうと…

岡林信康の手紙

手紙のサンプルを検索していて、こんなページに行き当たった。 手紙に関する70年代のフォークソング(手紙書き方例文礼状) いきなり岡林信康の「手紙」が紹介されていて、おおーいいセンス、と思ったが、ちょっと気になることを書いている。 当時のやるせ…